分電盤って何?
電力会社から供給される電気を家庭の電気を安全に供給するために、配線用遮断器、安全ブレーカー、漏電遮断器などを収納した「収納箱」のことです。
分電盤は電気の見張り役
大体洗面所や玄関の上に設置されていて、そこから各お部屋の回路に分けられて各コンセントや電気製品に電気を供給していきます。一つの配線用遮断器(安全ブレーカー)は20A(アンペア)で、2000Wまで使えます。使用量が2000Wを超えてしまうと安全のためにブレーカーが落ちる仕組みです。IHは30Aになります。
分電盤の中にはこのように分かれています。
関東と関西でブレーカーの数が違うことはご存じでしょうか。
➀サービスブレーカー(リミッター)…東京電力や中部電力などは赤丸部分をつけることができます。逆に関西電力や四国電力はサービスブレーカーはありません。 漏電遮断器や配線遮断器などは使用している人の所有物であるのに対し、リミッターは契約元の電力会社の所有物なので、電力会社が設置・修理します。 |
②漏電ブレーカー(漏電遮断器)…緑丸部分。漏電は感電事故や火災を防止する恐れがあるので、漏電を感知し遮断します。 |
③安全ブレーカー(配線用遮断器)…右側青丸部分のたくさんある各20Aの小さいブレーカーのことです。各部屋に電気を送っており、電気の使い過ぎやショートを見張っています。 予備スペースがあれば増設可能です。 |
分電盤の寿命と交換時期
分電盤の寿命(耐用年数)は10年~15年、推奨交換時期は13年と言われています。特に屋外や湿度の高い場所に設置されている分電盤は、劣化が早まる傾向にあります。13年を経過していれば、そろそろ交換を検討した方が良いかもしれませんね。
分電盤交換時期のポイント・サイン(予兆)
こんな症状が出てきたら、早めにお問合せください!
- 電気を使いすぎていないのに、ブレーカーがよく落ちる
- 電気代が以前より上がっている
- 分電盤の表面が熱くなる
- 分電盤から「ジジジ」「ジージー」など異音がする
- 分電盤の表面が変色したり焦げている
- 電気の明るさが安定せずちらつくようになる
- テレビの画面が乱れるようになる
- 漏電ブレーカー(漏電遮断器)が元々ついていない
他にも…
- 安全基準や法令の変更: 新しい基準に合わせて分電盤を交換することが必要になることも。
- 使用量の増加: 家庭や施設の電気使用量が増加した場合、安全性や運用効率を考え、大容量の分電盤に交換します。
実際にあった古い分電盤のトラブル
実際のお客さまの事例として、夏休み中の台風接近中のある日、おばあさんと子どもしかいないタイミングで「突然漏電ブレーカーが落ち、上がらなくなってしまった。部屋が真っ暗でエアコン・冷蔵庫も全て停まってしまった!」というSOSを受けたことがあります。
電力会社に連絡すると、電力会社では対応できないため電気屋さんに依頼するようにと言われたそうですが、夜になってしまい対応できる電気屋さんが見つからず時間が過ぎてしまったそうです。当社へ連絡があり駆け付けた時には既に夜の10時、まっくらな家の中で懐中電灯を持って出てこられました。横なぶりの大雨で古い分電盤の基盤が濡れていたので、そこから漏電に繋がったようです。
たまたま対応ブレーカーの在庫があったのですぐ復旧できましたが、在庫がなければそのまま一晩明かさなければならないところだったのです。
高齢者・小さなお子さま・ペットがいれば命にも関わる事態です。
そうならないためにも分電盤の早めの交換をお勧めします。
分電盤交換にかかる費用はどのくらい?
工事の相場は大体5~15万です。内訳としては
- 分電盤 本体費用
- 取替え工事費
- 廃棄処分費
- 出張費(時間帯・移動距離によって変動あり)
「漏電ブレーカー(あるいはサービスブレーカー)の容量をもっと上げたい」という場合 ー 例えば今使っているのが50Aで、60Aに上げたい場合は電力会社への申請や配線の太さを換えなければならない場合があるので別途費用がかかります。
分電盤の交換時期、どうやって相談したらいいの?
チェックリストを見て交換時期が気になる場合は、まず電気屋さんに現場調査に来てもらい一度見てもらいましょう。現場調査では漏電ブレーカーの作動チェックや機器を用いた確認を行います。
ブレーカーに予備スペース(空き)があればさらに増設も可能です。
場合によってはブレーカーの増設ではなく、分電盤ごと取り替えたほうが費用を安く抑えられるケースもありますので、家の築年数・分電盤の製造年・電気使用量・ご希望も伺いながら納得のいくご提案をさせていただきます。
分電盤の寿命・交換時期のまとめ
寿命と交換時期: 分電盤の寿命は一般的に10年から15年です。
交換時期のサイン: 分電盤の交換を検討する際のサインとして、ブレーカーの頻繁な落ちる、電気代の上昇、異音や表面の変色、明るさの不安定化などがあります。
交換にかかる費用: 分電盤の交換には本体費用、取替え工事費、廃棄処分費、出張費などがかかり、ブレーカー容量を上げる場合にはさらに追加の費用が必要になることが説明されています。