ブレーカー容量を変更する理由
ブレーカー容量の変更を検討されている方はこんな悩みはありませんか?
- 50年以上前の古い家に住んでいる/これから住もうと思っている
- 家電製品/家族が増えたので、電力消費量が増えたので足りない…
- エアコンやレンジを使うとすぐブレーカーが落ちてしまって心配…
単相2線式30Aまでの契約の場合が、エアコンや電子レンジなどの家電を使用するだけでブレーカーが落ちてしまう問題、よくご相談をいただきます。
古い家特有の問題点と対策
1. 配線の容量・劣化の確認
古い家は当時の規格で配線されているため、現在の基準では容量不足、また経年劣化が多々見られます。容量不足の配線に過剰な電流が流れると、発熱や火災のリスクが高まるので必ず電気工事業者による点検が必要です。
2. 電気容量不足・分電盤の確認
建築当初は電力使用量が少ない前提で設計されており、「単相2線式100V」である場合、最大契約アンペアは30Aまでとなります。単相200Vのエアコン・EVコンセントなどは使用できません。
後述しますが、40A以上に上げたい場合・単相200Vを使用したい場合は
必ず「単相3線式100V/200V」への契約変更と改修工事が必要となります。
また単相3線に張り替えるなら、分電盤とメーターも交換が必要となります。
3. 耐震性の問題
電気工事とは直接関係ありませんが、古い家の場合耐震性が低いことが多いため、電気工事の際に建物全体の状態もチェックしておくと安心です。
4. アースや漏電対策
古い住宅では、アース線や漏電ブレーカーが設置されていないことがあります。これらの設備は安全性の観点から非常に重要であり、ブレーカー容量の変更に合わせて点検・設置しましょう。
単相2線式100Vとは
建物の引込点→電気メーター→分電盤まで赤と白の2本の電線で配線してあります。古い分電盤は、漏電ブレーカーを設置いないことも多いのですが、漏電火災を未然に防ぐためには漏電ブレーカーを必ず設置するようにしましょう。
電気メーターも、単相3線式と比べると一回り小さなボックスが設置してあります。
単相2線式の分電盤
単相3線式100V/200Vとは
単相3線式は、現在の多くの建物で利用されている電気設備です。建物の引込点→電気メーター→分電盤まで赤・白・黒の3本の電線で配線してあります。単相3線式100V/200Vは40A以上の契約が可能なので、IHやエコキュート、EVコンセントなどの単相200Vのコンセントが利用できます。
契約電流(アンペア)の決め方
契約電流とは、各家庭で同時に流せる電流の大きさのことです。
なるべく一日のうち最も多くの家電製品を一度に使う時間帯をもとに消費電力を考えてみましょう。使う電力量に応じた契約電流にすることで、かえって節電や電気料金の節約にも繋がるのです。
例)冬の夜、照明器具(500W)、暖房器具(1800W)、キッチン家電(2000W)、テレビ等(100W)を使うと想定した場合: 使用する電力量は: 500W+1800W+2000W+100W=4400W ⇩ その時に必要なアンペア数は: 4400W÷100 V=44A ⇩ 将来家電製品が増えることも見込んで、契約電流を50Aにすると良さそうです。 |
その他家電の消費電力 電子レンジ…500W〜1400W 電気ケトル…400W 圧力式炊飯ジャー…1200W〜1400W オイルヒーター…1400W エアコン…1000W〜3000W (部屋の広さや機能によって異なる) EVコンセント…1500W以上 海外製コーヒーマシン…1500W ホットカーペット…2〜3畳サイズ:700W〜1400W |
実際の手続きと流れ
1.電気工事業者に調査を依頼する
まずは電気屋さんに現場調査に来てもらい、配線の劣化や容量、分電盤やコンセントの状態を確認してもらいましょう。家全体の電力使用量を確認してもらい、最大契約アンペア数と必要な見積もりを出します。
2.電力会社へ申請する
電気屋さんが幹線ケーブルの種類、分電盤を図面にして電力会社へ申請します。
電力会社から工事の日程調整のための連絡があるので、工事内容や費用について確認し、打ち合わせを行います。
3.実際の工事
電力会社の日程に合わせて工事を行います。
調査の必要に合わせて幹線張替え、メーター板交換、アース線の設置も含めて工事を行います。
工事が完了したら電力会社に報告し、完了検査が終われば単相3線式60Aに変更されます。
費用の目安
- 幹線(CV8sq×3C)✖距離分
- 幹線引込み工事
- 分電盤+分電盤交換工事
- 東京電力設計申請手数料
必要に応じて
- メーター板取替え
- 分電盤用アース線工事
- アース回路増設
- 専用コンセント工事は別途
木村電工の基本料金表はこちら
まとめ
築50年以上の古い家でブレーカー容量を30Aから40Aに上げることは可能ですが、配線や分電盤の状態、漏電対策などを十分に確認する必要があります。
木村電工では古民家を店舗・民宿・ご自宅リフォームの経験が豊富にありますので、ご要望・ご予算なども伺いながら納得いくまでご提案させていただきます。
木村電工の古民家施工事例:
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木村電工では単相3線式・アンペア契約変更に関して多数の施工実績があります。
工事費用や安全面を考慮し、生活の快適さと安全性を両立させるため、ぜひ一度ご相談ください。